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組織運営の基本

昨日、アスモ労働組合の副委員長を招いて、法政大学で勉強会を行いました。私が代表を務めるNPO法人人財育成ネットワーク推進機構設立準備委員会の会合でした。

 

アスモは、デンソーの子会社で、車に搭載されるモーターを作っています。レクサスの最上級モデルになると120個のモーターが使われているという紹介を聞いて、驚きました。以前、ワイヤハーネス(バッテリーから各電装品に電気を送るための配線)のメーカーを訪ねたことがありますが、120個のモーターを動かすワイヤハーネスはどうなっているんだろう?と思いました

 

昨日の報告は、労働組合主催の夏祭りが企業組織の円滑な運営に役立っていること、労働組合主催の合宿に取締役や部長クラスを呼んで一緒に議論する活動が組織内のコミュニケーションを良くしていること、他労組とのキャンプ(アスモ労組を含めて3労組、合計90名が参加)によって一緒に何かをやり遂げる素晴らしさを体験したことなどが報告されました

 夏祭りは、2002年に始まった企画ですが、最初は経営陣や管理職の参加は少なく、なかなか盛り上がらなかったそうです。でも、あきらめずに続けたところ、昨年は参加可能な社員の9割以上が参加するようになったとのことでした。今年は、昨年秋以降の景気落ち込みの影響で、多くの期間従業員に去ってもらわざるを得なかったため、「祭り」をすることは適当ではないと判断し、中止になりました

 

昨日の報告を聞きながら、組織運営の基本を改めて考えました。人間集団の基本は、みんなが一緒に飲んで食べて語ることにあるという点です

 

人間が集まって何か共通の目的のために力を合わせようとするのが組織です。企業は、その一つの形ですね。企業には、様々な考え方や能力を持った人たちが集まってきます。嗜好や価値観も異なります。その人間集団を一つの目標に向かわせるには、相互の信頼関係と将来に向かっての見通しが必要です。「経営者はビジョンを明確にして、それを従業員に語らなければならない」と言われるのは、まさにこの点と関連しています。

 

でも、経営者がビジョンを語っただけで従業員は一丸となって進むことができるでしょうか?私は、労働時間内の関わりだけで組織が最大限の力をだすのは無理だと思っています。一緒に飲んだり食べたりしながら語り合い、ときにはバカな冗談も言って打ち解けてこそ、仕事の上での協力関係が強固になると考えます

 

飲み会は大事です。「職場の仲間と一緒に飲み食いするのは日本企業だけ」という誤った認識があるのは残念です。アメリカ人もヨーロッパ各国の人たちも、職場の仲間と一緒に飲み食いするのが大好きです

1988年制作のダイハードという映画をご覧になった方は多いと思います。ナカトミ商事が作った近代的なビルの中でクリスマスパーティーが行われているところにテロリストが入って来て、従業員を人質にとりました。アメリカの会社では、クリスマスや復活祭、独立記念日、会社の創立記念日など、様々な機会をとらえて従業員が一緒に飲み食いする場を設定しています。なぜでしょうか?ズバリ、組織の力を高めるためです。

 

私たちは、ここ20年くらい、仕事は会社の中だけですればいいと思わされてきました。勤務時間終了後に職場の仲間と一緒に飲みに行くことは必要ないと信じ込まされてきました。でも、それは組織の基本に反しています。基本に反することをしているのですから、組織の力が高まるはずはありません

 

毎日毎晩、職場の仲間と杯を酌み交わすことを勧めているのではありません。ものには限度があります。少なくとも月に1回、できれば2?3回、そのような機会を持つといいと思います。上司や先輩は、自信を持って部下・後輩を誘って下さい。1回や2回断られたからといってひるんではいけません。部下や後輩も、上司・先輩から誘われたら積極的に行きましょう。必ずいいことがあります

採用時に明言することも大事です。「わが社は人間的なつながりを大切にする会社です。飲み会も社員旅行も必要な行事だと位置づけて実施しています。その考え方に賛同していただけるなら一緒に頑張りましょう。賛同できないのなら、わが社に入らない方がいいですよ。どうされますか?」―採用担当者は、これから採用する人にこの点をはっきり言っておいた方がいいですね。

 

アスモ労働組合の取り組みは、組織運営の原点を考えさせられる内容でした

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