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クローズアップ現代裏話(その2)

 リハーサルでは話題になったのだけれど、本番では時間の関係で話せなかった部分についてお話ししましょう

 

(1)韓国は、なぜ留学生の獲得に熱心なのか?

 韓国の人口は約4800万人、日本の4割弱の大きさです。しかも、1990年代以降、出生率が低下し、2008年には1.19になりました。日本でも少子化が問題になっていますが、日本以上に韓国の少子化は深刻です。ちなみに、日本の出生率は1.37(2008年)です。

 人口規模が日本の半分以下で、しかも少子化が日本以上に進んでいるということは、若年層の絶対数が少ないことを意味します。韓国企業は、積極的に海外展開していますが、その活動を担う人材を韓国人だけでまかなうのは無理になってきているのです。

 

 韓国政府も出生率を上げる政策をとっていますが、仮に今年、出生率が劇的に上昇しても、労働力の供給面で効果が出てくるのは20年後です。当面の労働需要を満たすことはできません。だったら、手っ取り早い方法として、留学生を韓国の大学に受け入れ、卒業後、韓国企業に就職してもらうことが考えられます。

 

 韓国が、産官学共同で留学生の獲得に熱心なのは、以上のような事情があるからです

 

(2)日本企業は、なぜ留学生を採用しないのか?

 これには、企業側の事情と留学生側の事情の両方が関係しています。

 

 まず、留学生側の事情ですが、留学生の多くは、ずっと日本企業で働き続けたいと思っていません。日本人と結婚して、日本に永住しようと決意した人を除くと、大半の留学生は、何年か日本企業で働いた後、本国に帰って働きたいと思っています。日本企業で働くことは、自分に箔をつけるためですから、本国でよく知られている日本企業に勤めたいと考えます。

 

 本国でも有名な企業は、いわゆる巨大企業ですから、狭き門です。そういった会社は、日本人の優秀な人材を採用できますから、わざわざ留学生を採らなくても、労働需要を十分に満たせます。他方、中堅、中小企業は、基本的に人手不足ですから、留学生を採用してもいいと考えていますが、留学生たちは有名でない企業には来てくれません。いわゆるミスマッチがおこっています

 

 次に、企業側の事情ですが、留学生を採用すると、独自の研修制度を作ったり、日本人従業員に対する異文化教育を実施したり、いろいろと面倒なことをしなければなりません。また、せっかく時間と労力をかけて採用した人材が短期間で辞めてしまうと、人事部に批判が集まります。

 

 日本人従業員は、基本的にリスクをとりたくないと思っていますから、批判されるかもしれないこと、失敗するかもしれないことは、できるだけ避けようとします。それが、日本企業の留学生採用が伸びない理由だと考えています

 

 留学生の採用が増えるには、経営者の決断しかありません。「いろいろ問題はあるだろうが、わが社の競争力を高めるには、異なる視点を提供してくれる留学生の採用が重要だ。少々失敗してもいいから、積極的に採用しよう!」このように明確に打ち出してくれれば、人事部もやりやすくなります。

 

 リハーサルのときに、こんな話もしたのでした

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