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日本が世界のお手本になる(3)

―高齢者雇用はイノベーションの源泉―

4.個人の取り組みとそれを支援する労働組合の存在
従業員の取り組み課題

 65歳まで現役で働き続けるには、企業の施策だけでなく、従業員自身の努力も欠かせない。①心身の健康を維持すること、②早い時期からキャリア形成の意 識を持ち、企業に買ってもらえる能力を作り上げていくこと、③新しいものに対応できる柔軟さを失わないことという3点が重要である。


(1)心身の健康を維持すること

 現役で働き続けるには、心身ともに健康であることが第一の条件である。健康の維持は当然のことであり、いまさら強調する必要もないが、65歳まで現役を 通すには若いときからの健康管理が重要である。仕事にばかりに熱中して、趣味や運動の時間を持たないでいると、頭の柔軟性が失われたり、生活習慣病にか かったりする。60歳を超えて第一線で活躍している人たちにインタビューすると、異口同音に、若いときから趣味を持ち、仕事以外の活動にも取り組む必要性 を語る。仕事と仕事以外の活動に適度なバランスがとられていることが大切である。


(2)早い時期からキャリア形成の意識を持ち、企業に買ってもらえる能力を作り上げていくこと

 企業は市場競争にさらされているため、「福祉」として高齢者を雇うことはしない。企業経営上重要な戦力になると判断された場合に、高齢者を雇うのであ る。企業が「雇いたい」と思うような能力を保持し続けることは、従業員の責務である。企業ではどのような能力を持った人材が必要とされているのかを常に考 え、「売れる能力」を維持する努力を続けなければならない。

(3)新しいものに対応できる柔軟さを失わないこと

 「60歳を過ぎて新しいことに挑戦するのは可能だろうか。五十の手習いというが、年をとると新しいことがなかなか覚えられない。技術革新についていける だろうか」といった不安を従業員は持っている。日本人は、一般的に言って、年齢を気にしすぎる傾向が強い。「もう年だから」という自己規制をしていては、 65歳で現役というのは無理である。「いまがいちばん若い」という気持ちで、何事にも前向きに取り組む必要がある。

 世の中では、日々新しいものが生まれている。それらに興味を持ち、自分の知識の一部として取り込むことができれば、いつまでも新鮮な人材であり続けるこ とができる。伊能忠敬を例に出すまでもなく、60歳や70歳を超えて新しいことに挑戦している人は多い。彼(女)らに共通して見られるのは、新しいものを 学ぶ力(学習力)を持っていることである。職業能力の維持・向上もさることながら、日頃から学習力を高めるように努めなければならない。


労働組合による支援

 働いている人たちが、自分にとってどのような能力を身につけるのが最も良いのか、どのような仕事の進め方をすればより高い成果をあげることができるのか といった問題に直面したとき、どうしたらいいのかわからなくなることがある。従業員が一人で集められる情報には限りがある。他方、労働組合は、さまざまな ネットワークを持っており、それを通して集められる情報には大きな価値がある。個人が判断に困ったとき、労働組合にアドバイスを求めることができれば、安 心感が高まるはずである。60歳を超えても企業に買ってもらえる能力を組合員が保持できるように、労働組合は組合員のアドバイザー役になる必要がある。

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