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ルフトハンザ航空のストライキ

 去る9月4日、ルフトハンザ航空の客室乗務員労働組合がストライキを行い、成田からフランクフルトに飛ぶ予定だったLH710が欠航になりました。機材は成田空港にありましたが、乗務員が勤務しないので飛ばせないという状況に陥りましたcrying

 

 LH710はエアバスの大型機A380によって運航されているため、満席であれば520名の人を運べます。ストライキの影響を受けた方が多数おられたのではないかとお察し致します。

 

 

 同じ労働組合が9月7日に再びストライキをかまえて経営側と交渉しています。前回のストライキは、国内線はベルリンを発着するものだけ、国際線はフランクフルトを発着するものだけに限定されていました。しかし、今回は、ドイツ全土にわたってストライキを行うと言っています。実行されれば、前回の比ではない影響が乗客に出ると思われますairplane

 

 

 ストライキは、労働組合の権利です。日本では、ほとんど見られなくなりましたが、ヨーロッパではそんなに珍しいことではありません。空港の荷物搬送係がストをして手荷物を預けられないために大混乱するとか、鉄道やバスが止まるといったことは、しばしば起こります。

 

 

 そのようなときの乗客の反応が日本とヨーロッパでは大きく異なります。

 日本だと、ストライキをしている労働組合を「けしからん!」といって責めます。窓口に対応に出ている係員にくってかかる姿がテレビなどで報道されます。

 他方、ヨーロッパでは、乗客は不満を漏らしますが、ストをしている人たちを一方的に責めることはしません。ストライキという非常手段に訴えさせてしまった経営側のやり方も批判されますpout

 労働組合がストライキをするということは、スト期間中の所得を放棄するわけですから、大きなコストを払うことになります。そう軽々にできるものではありません。「やむにやまれず」というのがホンネです。拳を振り上げたことは決して誉められることではないけれど、拳を振り上げるにはそれ相応の理由があったのだろうと、ヨーロッパの人たちは理解します。

 

 

 もう一つ、あまり労組を責めない理由があります。それは、労働組合が頑張って勝ち取った労働条件は、やがては自分たちの労働条件の向上につながることを期待しているからですflair

 この点は、フランスが典型です。フランスの労働組合組織率は9%程度ですが、その影響力はいまだに絶大です。それは、労組が経営側と交渉して勝ち取った労働条件が、その産業や地域の労働条件になるという一般的拘束力を持っているからです。

 

 日本では非正社員が増加し、雇用者全体の所得は低下しています。個人消費は、国内総生産の約6割を占めますから、景気が回復しない一因として雇用者所得の低迷があげられます。

 多くの大企業は、この10年間に内部留保を積み上げてきました。雇用労働者の所得をもっと増やしても良かったはずですが、そうはなりませんでした。「日本は、労働組合が弱いから、交渉して勝ち取れなかったのだ」という批判はある程度当たっています。

 しかし、ストライキをしたときの社会の反応があまりにも労働組合に冷たいために、多くの労組はストライキを実行することを躊躇してきたことも事実です。利益の一部を雇用所得として勝ち取れなかった理由は、実は私たちの行動にもあると思いますthink

 

 

 ルフトハンザの客室乗務員たちが何を要求してストライキを構えているのかは定かでありませんが、おそらく決行されるでしょう。影響を受ける方もいらっしゃると思いますが、是非、なぜそうまでして自分たちの要求を会社に認めさせようとしているのかという、働く側の気持ちにも理解を示していただきたいと思います。

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