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119 留学のすすめ

 留学は視野を広げ、日本を客観的に見られるようになる絶好の機会である。留学をすると、日本のことを根掘り葉掘り尋ねられる。そのとき、自分がいかに日本のことを知らないかを思い知らされる。それがきっかけになって、日本の歴史や文化をあらためて勉強する。すると、様々な発見があり、自らのアイデンティティを確認することになる。

 

 筆者は、1979年秋から2年間、ユーゴスラビア(当時)のザグレブ大学に留学した。言葉は、まったくと言っていいほど話せない状態での留学だったが、貴重な体験を数え切れないほどすることができた。1982年秋から1年間のドイツ留学も、西ヨーロッパの価値観を知る上でとても参考になった。

 

 日本は、とても便利な社会を実現している。ずっと日本の中で生活していると、この便利さが当たり前になってしまい、その価値がわからなくなる。例えば、ドイツには「閉店法」があって、商店の営業時間が法律で規制されている。一般の商店は、平日の午後7時には店を閉めなければならない。土曜日は午後4時まで開いているが、日曜や祭日は完全に閉店している。閉店時間は、店で働いている人が仕事を終わって帰る時間なので、閉店15分前になると店に入れてくれない。

 

 日本から行った旅行者は、「何て不便なんだ」と思うが、現地の人たちは何の問題もなく生活している。日本企業の駐在員たちも、最初のうちはこの営業時間にとまどうが、そのうちに慣れてくる。むしろ、24時間店が開いていることの方が異常なのではないかと思うようになる。

 

 店を開けるには、そこで働いてくれる人がいなければならない。商店で働いている人にも家族があり、日曜日や祭日は家族と一緒に過ごしたいと思うはずだ。その点に配慮すれば、不便かもしれないけれど、休みの日は商店も含めてみんな休もうというルールができてもおかしくない。それがドイツの価値観である。

 

 留学の奨励にはとても大きな意味がある。他国の文化や価値観を知るには、その国に行くのが手っ取り早い。日本という国の良い面と悪い面は、他国を鏡とすることによって初めて見えてくる。

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