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123 仕事への取組姿勢を教える

メンバーシップ型の雇用が前提

 

 先日、製造業のある現場管理職から次のように言われました。

 

「先生、最近の新入社員って、どうしてあんなに理屈っぽいんでしょうね。『これが君の仕事だから、よろしくね。』といって指示すると、『どうしてこの仕事をしなければならないんですか?仕事の意味は何ですか?』と質問ばかりするんですよ。

 

質問してはいけないとは言いません。でも、仕事を指示されたら、まずは『はい、わかりました。』と答えるのが普通じゃないでしょうか。

 

仕事のことがわからないのに、いっぱしの口をきく新入社員を見ると、人事部はいったい何を基準に採用してるんだと疑問に思ってしまいます。」

 

 大半の日本企業は、その企業のメンバーになることを前提に新卒者を採用しています。特定の仕事をしてもらうために、新卒者を正社員として雇うことはほとんどありません。「わが社のメンバーになってください。具体的にどのような仕事を担当するかは、あなたの適性を見ながら決めていきましょう。」良きメンバーになることが第一に期待されているため、採用基準として「一緒に働いてみたいと思える人」が上位に上がってくるのです。

 

キャリア教育に不足している部分

 

 企業の新卒採用がメンバーシップ型ですから、学生に対して職業に関する情報を提供する際、その点を考慮して行う必要があります。各大学は、ここ10数年「キャリア教育」と称して、働くことに関する様々な情報を提供してきました。卒業生や企業の人事担当者を大学に招いて、業界や会社の状況、具体的な仕事などについて話をしてもらったり、自己分析の方法を教えたり、適性検査なども実施してきました。

 

 しかし、企業のメンバーになる上で最も必要とされることは、必ずしも強調されてこなかったように思います。それは「任された仕事は選り好みせずに真摯に取り組む」という姿勢です。どんなに企業研究や仕事研究をしても、実際に働いてみなければ企業や仕事の内実はわかりません。働く前に思い描いていたことと働くようになって経験することには差があるのが当然です。「理想と現実の間には差があるから、それをわかっておけよ!」という伝え方をもっとする必要があると思います。

 

仕事への取組姿勢を伝える

 

 企業のメンバーとして働き始めると、いろいろな仕事を担当することになります。場合によっては、自分がやりたくないと思っている仕事を命じられることもあります。でも、そこで拒否していては良いメンバーにはなれません。自分に割り振られた仕事は、自分に向いていると思って取り組むといいぞ。上司は君のことをちゃんと見て判断しているのだから―どんな仕事でも前向きに取り組むことの重要性をもっと強調するべきだと思います。

 

 学生たちの職業生活は45年続きます。45年間を生き抜いていく基礎体力をつけるのが大学教育です。仕事に対する取組姿勢を教えることもだいじな基礎体力づくりだと思います。

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