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125 管理職はこんなに魅力的な仕事だ!(中)

 

難しい―難しくない  おもしろい―おもしろくない

 

 いま、一つの図を描いてみていただきた。縦軸に、難しい―難しくない、横軸に、おもしろい―おもしろくないと書き入れる。4つの象限ができるが、読者のみなさんはそれぞれの象限に何を入れるだろうか。

 

 ゴルフ好きの方なら、ゴルフは文句なく、「難しいけどおもしろい」という第一象限に入るだろう。自分が思い入れを持って取り組んでいる仕事も第一象限である。

 

 

 同じ仕事でも、他の象限に入るものもある。例えば、あまりやりたくない仕事や自分としては納得できない仕事は、第四象限(難しくておもしろくない)に分類される。筆者のように大学で働いていると、入試監督という業務がある。これは第三象限(難しくないしおもしろくもない)に分類される。ご自身の仕事や趣味、生活上必要な活動をこの図に書き込んでいくと、自分のふだんの行動が見えてくると思われる。

 

 

管理職の難しさ

 

 管理職という仕事がなぜ難しいのかをひと言で表現すれば、人を使って仕事をするからである。人は気まぐれだ。気分によって力を出したり出さなかったりする。組み合わせも重要だ。気の合った仲間となら力を出すが、ウマの合わない人同士の組み合わせだと、1+1が2になるどころか1を下回ったりすることもある。

 

 時間制約が厳しい中での課題達成を任されている管理職が、部下に仕事をさせるのではなく、自分で仕事をしてしまう姿をよく見かける。部下に任せていた仕事の進捗管理を怠っていたために、納期近くなって不十分な出来映えであることが判明することがある。このままその部下に任せていると納期に間に合わないとわかったとき、上司は部下から仕事を取り上げて、自分でやってしまう。本来はそんなことをしては部下の育成にならないのだが、背に腹は代えられない。

 

 自分がよく知っている仕事は、部下に担当させるよりも自分でした方がはるかに簡単で早くできる。でも、それでは管理職の役割を果たしたことにはならない。自分がやりたいことを人にしてもらうのが経営であり、管理職は、経営の一端を担っているのだから、この原則に従う必要がある。

 

 どうすれば自分のやりたいことを部下にやってもらえるのか、どうすれば部下をやる気にさせることができるのか、そもそも、その前に、どうすれば部下とのコミュニケーションが良くなるのか―管理職としての悩みは尽きない。

 

 こんなに面倒なことをして、なおかつ給料もあまり変わらないのであれば、無理をして管理職になることはないだろう、と管理職候補者たちが思うのも当然だ。しかし、彼らが見ているのは部下の目に映った管理職の姿でしかない。横で見ているのと実際にやってみるのとではまったく違うという経験を私たちは日常生活の中でしている。管理職についても同じである。

 

 

管理職のおもしろさ

 

 管理職のおもしろさは、やってみなければわからないところがたくさんある。仕事の面では、自分で仕掛けを考えて段取りをして、ある課題を達成する。この時の喜びは、メンバーの一人として仕事の一部を担っていた部下の時代の比ではない。

 

 管理職は、部下の人材育成も担っている。見込みがありそうだと思った部下に様々な場を用意し、困難を乗り越えさせながら成長していく姿を見るのは管理職の醍醐味である。あるいは、他の人が注目しなかった人材を見いだし、仕事の機会と適切な指導を与えることで頭角を現すのを助けるのも、管理職冥利に尽きる瞬間だ。人材育成には、時間と手間がかかる。労力をかけるからこそ、うまくいったときの喜びが大きくなるのである。

 

 管理職という仕事には、裁量の余地がたくさんある。組織の一員として働くのだから組織目標から逸脱することはできないが、その枠組みの中で、いろいろと工夫ができる。場合によっては、取締役や部長を説得して、組織目標自体を自分の思う方向に読み替えて(目標の変更ではなく目標の見方を変えること)、実行してしまうことも不可能ではない。

 

 では、なぜ若手社員は管理職を敬遠するのだろうか。管理職という仕事のおもしろさややりがいを知らないからだと考えられる。なぜ彼らが知らないのか―現役の管理職たちが部下に管理職という仕事の楽しさを語っていないからではないだろうか。「管理職って、こんなにおもしろいぞ!」という話を現役の管理職たちがもっと語る必要がある。

 

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