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121 インターンシップについて考える

1.現状の問題点

 

(1)会社見学会の域を脱していないこと

 インターンシップは、長くても2週間、短い場合は1週間程度で終わります。これでは、仕事とは何かを知る期間として短すぎます。会社側も、個人情報に関わるような部署への立ち入りを禁止しているので、参加者は会議室に集められ、会社が用意したプログラムを淡々とこなすような状況です。

 

言ってみれば、ちょっと長めの会社見学会というのが実情です。

 

 

(2)1カ月以上にわたる長期のインターンシップは皆無に近いこと

 期間が短いのでまとまった仕事を任せることができないという声が会社側から出ています。では、1カ月上のインターンシップをすれば良いと思うのですが、これだと学生側が受け入れにくくなります。それは、アルバイトをして生活費を稼いでいる学生が参加できなくなるからです。

 

 インターンシップは訓練ですから、基本的に無給です。交通費と昼食代程度を支給する会社もありますが、給料を払っている会社はほとんどありません。会社としても、専用のプログラムを用意して、人員を貼り付けるというコストをかけているのですから、さらに給料を払うという気持ちはありません。できるだけ短期間で終わってほしいというのが会社側のホンネです。

 

(3)この分野でも大学生の有名企業志向が根強いこと

 あまり有名でない会社や中小企業がインターンシップを募集しても学生が集まりません。インターンシップの場面でも、学生の有名企業志向が強く見られます。本来は就業体験なので、知名度や企業規模は関係ないはずですが、学生たちは企業の名前にこだわります。

 

 その理由は、採用面接において「○○会社でインターンシップを経験しました」と言いたいからのようです。有名企業でインターンシップをしていると有利になるのではないかという思い込みがあるようです。

 

2.インターンシップ本来の意義

 

(1)就業体験を大学での学びに生かすこと

 実際に働くことによって、自分自身の至らなさを実感し、「もっと勉強しなければダメだ」と考え、学業に邁進するきっかけになることが、インターンシップ本来の目的です。自分がいかにものを知らないか、自分の能力がいかに未熟かを思い知らされる場がインターンシップであるべきです。しかし、企業は、自社に関する学生のイメージを悪くしたくないので、学生をお客さんとして扱い、いい思いを持って帰らせようとしています。

 

(2)世の中の仕組みを知るきっかけになること

 学生たちの目に見えている世界とは違う世界があることを知るきっかけになるのがインターンシップです。学生たちは、いわゆるBtoCの企業しか見ていません。それらの企業が活動できるのは、そういった企業に財やサービスを提供してくれるBtoBの会社があることにはほとんど気づいていません。インターンシップを通してBtoBの会社について知り、就職先を考える際の参考にすることができます。

 

(3)採用に直結していること

 企業が時間とコストをかけてインターンシップ生を受け入れるのは、自分たちにとって何か良いことがあるからです。「青田買い」という批判はあるものの、企業のホンネは、いい学生がいたら唾をつけておきたいというところにあります。

 経団連が倫理憲章と称して、インターンシップを採用に直結させないように指導していますが、このことが企業側の意欲を削いでいることは否めません。インターンシップ経由の採用は、全体の採用数からいうとごく一部です。そこに目くじらを立てても仕方ないと思います。採用直結を認めた上で、どうすれば教育効果の高いインターンシップになるかを検討した方が生産的です。

 

 

3.どういうインターンシップが求められているか?

 

 仕事の実態を知り、自らの至らなさを知るためには、ある程度長期で企業と関わりを持つことが必要です。現在のような会社見学会的なものよりも、週に半日(例えば水曜日の午後)でいいから企業に行って、3~5年目の若手社員の指導を受けながら何らかの仕事を手伝うという形式がいいと考えます。

 

 この方式だと、会社側に特別な準備がいらないので中小企業でも受け入れ可能になります。また、若手社員の教育にもなります。最近、採用数が減っているため、10年経っても後輩が入って来ない、後輩の指導をしたことがないという若手社員が増えています。人は教えることによって多くのことを学びます。インターンシップ生を指導することは、若手社員の教育になり、企業にとってもメリットが大きいと考えます。

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