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産学連携若年層育成に関する報告書(下)

12の提言

 

 私たちは、大学と企業が連携して若年層の育成を行っていくために、12項目にわたって提言をして いる。主として大学向けの提言が4つ、大学と企業が共同で取り組む活動に関する提言が3つ、そして 主として企業が取り組む活動についての提言が5つである。それらの中心となるのは「頭の体幹」を 鍛え続けることである。どのスポーツでも体幹がしっかりしていないと良い成績を残せないのと同じ ように、「頭の体幹」がしっかりしていないといい仕事はできない。大学教育は、「頭の体幹」の基礎を 形成する役割を担っており、企業はそれをさらに強化することに取り組まなければならない。これら の提言を受けて、大学と企業がこれまで以上に連携して、20歳代の育成に取り組むことを切望している。

 

 

(A)大学向けの提言

 

〈提言1〉大学教育の意義を学生に正しく伝える

大学教育の役割は、「頭の体幹」の基礎を形成することである。それは、どんな学問分野においても可能だ。大学の教職員はもとより、社会で活躍している人たちも、大学教育の意義を学生に伝えなければならない。

 

 

〈提言2〉教育能力を教員評価の基準としてより重視

教員の採用や昇進の基準として、研究業績とともに教育能力を重要な柱とする。

 

 

〈提言3〉教え方の工夫が必要

学生が変化していることを踏まえて、教員は教え方を変えていかなければならない。人数の多い講義でも、工夫の仕方によって学生の「考える力」を高めることが可能である。教員も社会の変化に合わせて、教え方の改革に取り組まなければならない。

 

 

〈提言4〉キャリアセンター職員の専門性を高める

大学機構の中でのキャリセンターを社会とのパイプ役を担う重要部署と位置づける。そのために、キャリアセンターに職員を配置する際は、その専門性に鑑みて、専門性を高められるように配慮する。具体的には、通常の定期人事異動を通した育成とは別のキャリアパスを用意するとか、学生の個別面談を担当する職員にはキャリア・コンサルタントの資格を取らせるといったことである。

 

 

(B)大学と企業が共同して取り組む活動についての提言

 

〈提言5〉外部講師に依頼するときは、期待することを明確にする

キャリアセンターが社会人を招いた講座を実施する際には、大学教育の基本的考え方とその社会人に期待する点を明確に示す。「何でもいいから話してください」では教育に資する企画にはならないことを肝に銘じる。

 

 

〈提言6〉学生と社会人が少人数で議論する場をたくさん設ける

学生と社会人が少人数で議論する場をたくさん設ける。社会人の話を講義形式で聴くことも役に立つが、それ以上に、少人数での議論は教育効果が高い。学生とのディスカッションは、企業の若手従業員育成にもプラスになるので、企業側も積極的に協力する。

 

 

〈提言7〉インターンシップを積極的に展開する

インターンシップを「学生時代に企業の実際の職場を体験することにより、社会人との接点を増やし、自分自身の職業について深く考える機会を提供するもの」と位置づけ、積極的に展開する。

 

 

(C)企業向けの提言

 

〈提言8〉採用面接で学業について質問する

企業の採用選考において、学業に関する取り組みを問う。単にAあるいは優の数がいくつあるかではなく、その科目の学修においてどのような努力をしたか、その過程で何を考え、何を得たかといった点をたずねる。すると、その学生が「しなければならないこと」にどのような姿勢で取り組んできたかを知ることができる。

 

 

〈提言9〉採用面接へのルートを多数確保する

採用面接に至るルートを多様化する。具体的には、リクルーター経由、ナンバーワン採用、大学推薦やゼミ推薦などである。企業と大学の間で求められる人物像の共有化をしていけば、入社後のアンマッチの防止につながる。

 

 

〈提言10〉内定後の採用前教育を長期的視点で行う

内定後の採用前教育は、大学生活最後の期間がその学生の長期にわたる成長の糧となるように工夫する。単なる基礎的業務知識の習得に時間を使わせるのはもったいない。大学の特性を上手く使って、思考力と行動力を向上させるように仕向ける。その一つの方法として、内定後に大学生活でどのような活動をしているかをレポートさせることを提言する。毎月でもいいし、2カ月ごと、3か月ごとのレポートでもいい。これによって、残された大学生活を有意義に過ごすことにつながる。

 

 

〈提言11〉「教えない教育」の実践

人事部や配属先の管理職は、新入社員にていねいに説明する労を惜しまない。ただし、最初からすべて説明するのではなく、まずは自分で考えさせること、すなわち「教えない教育」を実践する。

 

 

〈提言12〉入社後も「頭の体幹」を鍛え続ける

20歳代の育成のために、入社後も「頭の体幹」を意識的に鍛える。そのために、論文を書かせたり、中長期の課題解決に取り組ませたりする。

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