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142 映画『マイ・インターン』に学ぶ高齢期の働き方(中)

◇新しいものに挑戦し続ける

 

 映像で履歴書を出すという募集条件を見たとき、彼は果敢に挑戦を始めた。それまでYouTubeなど使ったことがなかったし、USB接続もコンピュータ用語もよくわかっていなかった。それを人に聞いて、教えてもらって、応募にこぎ着けた。

 

 世の中では、毎日のように新しい技術や製品が登場している。年齢が上になればなるほど、使い慣れたものがいちばんで、新しいものに挑戦しようとする意欲が薄れていく。しかし、それでは60歳を超えて現役でいることは難しい。

 

 技術は日進月歩である。新しい技術は、積み重ねの上に花開く。常に新しいものに触れていれば、その落差はさほど大きくない。しかも、新しい技術は、使いやすさの面でも進歩する。新しいものを億劫がるのではなく、興味を持って接していけば必ず使いこなせるようになる。「常に好奇心を持つ」と表現してもいいだろう。探求心を持ち続けることが高齢期に働き続ける上で欠かせない条件だと言える。

 

 

◇頼まれたことは何でも引き受ける

 

 ベンは、あることをきっかけとして、社長の運転手を務めることになる。当初は一日限りの仕事だと思っていたが、前任の運転手が姿を消してしまったために、次の日も運転手として働くことになる。朝5時40分、ジュールズの秘書から「運転手と連絡が取れなくなったので、今日も運転手をして欲しい」という依頼が入る。ベンは二つ返事で引き受ける。ニューヨークの町を知り尽くしている彼は、的確な道を選んでジュールズを目的地に送り届ける。

 

 急に予期していない依頼を受けたとき、尻込みするのが普通である。しかし、頼まれるということは、相手が自分を信頼している証である。職場では、日々さまざまな問題が発生している。誰かが対処しなければならないが、誰の担当か定かではない案件も多々ある。上司や同僚から「○○さん、これを処理してくれませんか」と頼まれたとする。そんなとき、「これはチャンスだ」ととらえて、気軽に引き受けるのである。

 

 一般に、50歳代になると腰が重くなる。何か頼まれたときに、できない理由から答えてしまう人が多い。しかし、それでは仲間から頼りにされる人物にはなれない。自分の手に余るような案件を依頼された場合は、長年の経験から培ってきた人脈を駆使して、できる人を探し、その人の手を借りて完成させればいいのである。仲間からの依頼に対応することは、とりもなおさず能力開発の機会を自ら取りにいくことになる。職場は、能力開発の機会に溢れている。それをうまく使うのか見過ごしてしまうのかは、私たち自身の問題である。

 

 一般的に言って、企業は、50歳を過ぎた従業員の能力開発にお金を使わなくなる。企業が提供する訓練に頼っていたのでは、60歳を過ぎて第一線で活躍できる能力を維持するのは難しい。身近な機会をうまくとらえて自分の能力を磨くことは、誰にでもできる有効な方法なのである。

 

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