職業能力開発研究所

藤村博之代表からのご挨拶

法政大学大学院 職業能力開発研究所 (Research Institute of Human Resource Development)は、日本企業の人事管理や人材育成のあり方、労使関係の健全な発展などについて調査研究し、研究成果を広く社会に還元することを目的として2003年に設立されました。

バブル崩壊後の不況の中で、多くの日本企業は人材育成をおろそかにしてきました。経営不振から脱出するために、一時的に人件費負担を軽減せざるを得なかったという事情は理解できます。しかし、業績が好転したあとも、人材への投資は不十分な水準にとどまっていると言わざるを得ません。

企業の競争力は人材の中に蓄えられていきます。技術・技能やノウハウを進化させるのはヒトであり、次世代に引き継いでいくのもヒトです。従業員の質を高め、組織の競争力を強化できない企業が衰退していくことは、火を見るよりも明らかです。日本企業が連綿と築いてきた競争力を維持向上させるには、人材育成を強化することが必要です。

他方、労使関係に目を向けると、労働組合組織率は、1975年以来ずっと低下しており、労働組合の存在感が希薄になっています。「労使は車の両輪」と言われるように、双方のバランスがとれてこそ、大きな力を発揮します。昨今のように経営側が強くなりすぎている状況は、決していいとは言えません。この状況を改善するには、労働組合の力を高めることが喫緊の課題です。

当研究所は、日本企業の人材育成機能の強化と労使関係の発展に少しでも貢献したいと考え、活動を続けています。日本社会は、善意と信頼を基盤として、企業間関係や企業と従業員の関係をつくってきました。日本が他国にはまねのできない高度な製品・サービスを生み出して来られたのは、契約で縛らなくても抜け駆けはしない、互いに尊重し誠実につきあうという倫理観が企業にあったからです。また、自分の仕事に誇りを持ちプロ意識を持って働く人たちの存在も、日本企業の競争力を支えてきました。日本の良さを再確認し、他国との差別化要因を明らかにしていくことも、当研究所の大きな使命だと位置づけています。

平成19年4月28日 職業能力開発研究所 代表 藤村 博之

(1)労使関係研究部門

日本の労使関係は、労使の深い信頼関係に支えられて安定しているように見えます。しかし、職場にはメンタルヘルスや各種ハラスメントなど、20世紀にはあまり問題にならなかった現象が散見されます。これらの問題に労使がどう対処していけばいいのか、とても重要な課題です。特に、労働組合の活動のあり方について調査研究を進めます。

(2)健康・医療・美容部門

人口構成の高齢化は、健康や医療に対する関心を高めています。元気で活躍するにはどうすればいいのか、医療機関は患者とどう向き合えばいいのか、何歳になっても美しくありたいという願望を満たすにはどのようなケアが必要か―こういった点について検討するのがこの部門です。

(3)人材育成部門

企業競争力の源泉は、何と言ってもヒトです。高性能のコンピュータを何十台並べても、それを使いこなすヒトがいなければ、新しいものは生まれません。企業が人材をじっくりと育てる余裕をなくしているいま、個人はどうやって自分の能力を高める必要があるのか、あるいは、企業として用意すべき育成の仕組みは何か―このような点を研究することがこの部門の役割です。

ページの先頭へ