産学連携若年層育成に関する報告書要旨(上)

  何とかしたいという思い
 
 
 第二次大戦で荒廃した国土を復興し、経済活動において数々のイノベーションを成し遂げてきた日 本は、いま、曲がり角に立っているように見える。一つの理由は、人口減少である。総務省統計局に よると、2005年に初めて対前年で人口が減ることを経験したが、2009年までは微増と微減を繰り返 した。そして、2010年から明確な人口減少に転じた。人口は、重要な経済指標であり、その減少は 経済力の衰退を予感させる。  
 
 
 
  何とかしたいという思い  第二次大戦で荒廃した国土を復興し、経済活動において数々のイノベーションを成し遂げてきた日 本は、いま、曲がり角に立っているように見える。一つの理由は、人口減少である。総務省統計局に よると、2005年に初めて対前年で人口が減ることを経験したが、2009年までは微増と微減を繰り返 した。そして、2010年から明確な人口減少に転じた。人口は、重要な経済指標であり、その減少は 経済力の衰退を予感させる。
 
 
 曲がり角を迎えたと感じさせるもう一つの理由は、人材の質への疑問である。大学への進学率は 50%を超え、教育を受ける期間は確かに長くなった。しかし、卒業生たちが最高学府で学んだだけの 能力を身につけているかというと、はなはだ心許ない部分がある。
 
 いったい日本はどうなっていくの だろうか。自分たちにできることは何だろうか。このような思いに突き動かされて、この研究会は始 まった。
 
 
 研究会には、大学側からキャリアセンターの部課長クラス、企業側から人材育成担当の課長クラス が出席して議論を重ねてきた。メンバーの年齢は30歳代後半から40歳代前半が中心であり、それぞ れの大学や企業で、今後20年にわたって第一線で活躍することが期待されている面々である。いわば、 大学、企業の将来に対して危機感を持ち、当事者意識を感じている実務家たちが集い、議論を重ねて いった。毎月のようにテーマを持って集い、時には深夜まで酒宴を交えて議論を交わした。
 
 
 その際の基本方針の一つとして置いたのが「他人のせいにしない」という点である。ふがいない学 生や生徒を見て、親は学校を、学校は親を批判する。十分な基礎知識を習得しないまま大学に進学し てきた学生を見て、教員は高校を批判する。あるいは、社会人として基礎的なトレーニングができて いない新入社員を見て、企業は大学や親を批判する。確かに問題行動をとる若者は少なくない。しか し、それを他人のせいにして批判しても、何の解決にもならない。問題に気づいたら、気づいた人が 行動を起こして修正すればいい。私たちは、それを合い言葉として議論を重ねた。
 

投稿者プロフィール

藤村 博之
法政大学大学院 イノベーション・マネジメント研究科 教授
法政大学大学院 職業能力開発研究所 代表
NPO法人 人材育成ネットワーク推進機構 理事長
詳細:藤村博之のプロフィール