教えられ方の極意

15日の夜からソウルに来ています。アジア生産性機構主催の小さな国際会議です。テーマは高齢者雇用ですが、高齢化の原因になっている少子化問題にも議論が及び、とてもエキサイティングです。明日が最終日ですが、学ぶことの多い会議になっています

 

さて、前回のブログで教え方と教えられ方について書きました。今日は、教えられ方の極意を考えてみたいと思います。

長く教員をしていると、進んで何でも教えたいと思う学生とそうでない学生に出会います。積極的に教える気持ちになれない学生に共通しているのは、聴く姿勢の問題です。

話がまだ終わっていないのに質問をはさんだり、自分の意見を言ったりすると、話す側は腰を折られてしまいます。また、変に知ったかぶりをする学生も教える意欲を萎えさせてしまいます

逆に、何でも教えたいと思うタイプは、話を最後まで聴く学生です。私が話したことを一生懸命理解しようと自分の中で反芻し、その上で質問してくる学生です。話し手の意図を汲んでくれると話している者としてはうれしいです。

 

教えられ方の極意は3つあります。?話しやすい雰囲気をつくること、?話を最後まで聴いて理解しようと努力すること、?的確な質問をすること。

 

まず、話しやすい雰囲気です。教える側も人間ですから、ノリの良さが影響します。演劇の人たちが観客と一緒に舞台を創り上げると言いますが、それと同じです。相づちを打ってくれたり、感心してくれたりすると、「よっしゃ!」という気持ちになります。教える側をうまくのせることが大切ですね

 

次は、話を聴く姿勢です。話の内容がつかめないときがあります。そんなとき、あきらめてしまうのではなく、何とか理解しようと努力します。その姿勢は教える側にも伝わります。一生懸命さは教える側の熱意に火をつけます。理解しようと努力することが重要です

 

そして、三つ目は質問です。教える側は、必ず「何か質問はありませんか?」と問いかけます。そのときに、どんな質問ができるかです。いい質問が出たとき、教える側は手応えを感じます。いい質問をするには、「私はこう思うのですが、そのような理解でいいでしょうか?」という聞き方がいいと思います。的確な質問をするには、それなりのトレーニングが必要です。教わる側にも力量が求められます

 

教えられる側に前向きの姿勢があれば、教える側はそれに応えようと努力します。私は、教育の場は真剣勝負だと思って、常に臨んでいます

 

投稿者プロフィール

藤村 博之
法政大学大学院 イノベーション・マネジメント研究科 教授
法政大学大学院 職業能力開発研究所 代表
NPO法人 人材育成ネットワーク推進機構 理事長
詳細:藤村博之のプロフィール