このところ外国語ネタが続いていますが、今日も外国語に関する話です。というか失敗話です。
1990年代、関西生産性本部の仕事でオーストラリアに続けて7年(年に1回)行ったことがあります。その最初の回での出来事です。まだ、オーストラリア英語に慣れていなかったこともあり、大失敗をしてしまいました
シドニー大学の先生がオーストラリアの経済と社会について講義をしてくださいました。その通訳をしたのですが、最初につまずいたのです。
その先生が、最初に、Australia and Japan are different in three ワイズ とおっしゃったのです。オーストラリアと日本は3つのワイズで違う。うぅん?ワイズって「賢い」って意味のwiseかな???
通訳には、とっさの判断が求められますから、ワイズをwiseととって、「三つの賢さの点で違います」と訳しました。ちょっと変だなとは思ったのですが、そう言うしかありません。「そのうちに意味がわかるだろう」と鷹揚に構えていました
5分くらい経ったとき、はたと気づきました。「そうか、ここはオーストラリアだ。ワイズはwiseではなくてwaysなんだ!」
参加者のみなさんにすぐに謝りました。「ごめんなさい!間違えていました。3つの点で違うという意味でした。えらい、すんまへん。」
大学の先生がオーストラリア訛りで話すとは思っていなかったので、waysに思いが行きませんでした。思い込みって、こわいなと思いました。
本当は、最初に「ワイズって何ですか?」と質問すれば良かったのです。それを知ったかぶりをしてしまったために、かえって恥をかいてしまいました
「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥」と言いますが、本当にそうですね。「私にはよくわからないんです。申し訳ないけど教えていただけませんか」―何歳になっても素直に人に聞ける自分でありたいと思います。
投稿者プロフィール

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法政大学大学院 イノベーション・マネジメント研究科 教授
法政大学大学院 職業能力開発研究所 代表
NPO法人 人材育成ネットワーク推進機構 理事長
詳細:藤村博之のプロフィール
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