お待たせしました。「仕分け人がやってきた」の番外編を書く余裕がようやくできました。
そうです。大学は、昨日から冬期休業に入りました
事業仕分けの結果、私が担当する就業力育成支援事業は「廃止」になりました。これは、前回ご報告したとおりです。その後、文部科学省の「反撃」が始まりました。「廃止」という決定を尻目に、予算の執行が始まったのです
今回の就業力育成支援事業は、菅内閣の雇用重視政策の一部になっています。行政刷新会議が内閣の方針と異なる結論を出したのですから、大きな問題です。「どちらが優先するのだ?」という議論になりました。
事業仕分けは、自公政権時代に作られた予算の無駄を排除することで脚光を浴びました。確かに、昨年度は意味があったと思います。緊急性や効果の乏しい事業にメスを入れたことは画期的でした
しかし、今年は違います。民主党の内閣ができて1年以上が経過し、民主党の手で予算編成が行われています。それに対する批判ですから、横槍を入れるように思われても仕方ありません。事実、内閣の方針と異なる仕分け結果がたくさん出され、政権批判になってしまいました。
無駄を省くのは必要なことです。でも、世の中からすべての無駄をなくしてしまったら、味気ない世界ができあがってしまいます。私たちの人生は、大半が無駄の上に成り立っています。
これからは、必要な無駄と不要な無駄を仕分ける見識が重要になります。今回の仕分け実地視察で私がお会いした仕分け人たちには、残念ながら高い見識は感じられませんでした
政治がどうなろうと、私たちの日々の生活は続いていきます。政治に頼らない、自主独立の精神で就業力育成支援事業に取り組んでいきたいと思います
投稿者プロフィール

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法政大学大学院 イノベーション・マネジメント研究科 教授
法政大学大学院 職業能力開発研究所 代表
NPO法人 人材育成ネットワーク推進機構 理事長
詳細:藤村博之のプロフィール
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